- 「治療ガイド2020」刊行に向けての想い
株式会社EDUWARD Press 代表取締役社長 西澤行人 - 世界中の獣医師に活用されている内科診療の成書に、アメリカで出版された「SMALL ANIMAL INTERNAL MEDICINE」があります。
当社でも、「SMALL ANIMAL INTERNAL MEDICINE」を翻訳して発刊し、日本の先生方にも内科診療のスタンダードとして、情報をお届けして参りました。
しかし同書は、日本では未認可の薬剤が掲載されていたり、アメリカで多く飼育されている大型犬への処方例を紹介していたりと、日本の臨床現場に即していない情報もありました。
「もっと日本の臨床現場に即した情報を提供したい」、「1秒を争う臨床現場で、素早く調べられる本を作りたい」。
そんな思いから生まれたのが、雑誌「SA Medicine」で掲載された「治療シリーズ」であり、この度発刊させていただく「犬の治療ガイド2020」、「猫の治療ガイド2020」です。
本書は、治療に特化して作られているため、多忙を極める臨床家にとって、無駄なく直線的にゴールまで導いてくれます。
執筆は、長年、研究と経験を重ねた207名の日本人のスペシャリストにお願いしているため、信頼性と実用性を兼ねた内容になっています。
臨床の先生方が、迷いなく、自信をもって日々の診療に臨んでいただくために、そして犬や猫とその飼い主を救うために、ぜひ本書をお役立てください。
- 編集者のことば
大草 潔 (大草動物病院 院長) - 「犬と猫の治療ガイド」は、多くの読者にご活用いただき2012年版、2015年版に引き続いて2020年版として第3弾を刊行する運びとなりました。小動物臨床の第一線でご活躍の先生方がどのような治療を実践しているかを広く紹介し、日常の臨床現場での診療の一助になることをコンセプトに制作してきましたが、今回は犬と猫に分冊したことに大きな特色があります。
我が国における犬猫の飼育頭数が下降線を辿っているなかで、猫の飼育頭数が逆転して優位となり、さらにここ10年の間に猫に特化した糖尿病治療薬、消炎鎮痛薬、免疫抑制薬などの上市、キャット・フレンドリーの普及、食事管理、飼育環境などあらゆる面で大きな変化がみられようになりました。
このような状況下で本書を分冊することは必然的であり、各々の疾患について「治療」に特化し、「治療に入る前に」、「治療方針」、「処方例」、「予後」、「Key Point」を詳細に説明しています。また、犬と猫での同一疾患は病態、治療・処方薬・投薬量の相違点、注意点などについてもアップデートを加えて詳述しました。
多忙な臨床現場において、得たい情報を迅速・的確に享受できるよう構成しましたが、旧書同様に多くの方々に利用され、明日からの診療に役立てていただければこの上ない喜びです。
犬の治療ガイド2020
私はこうしている
A4判 上製 ビニールカバー付き 1264頁
- CONTENTS
- 第 1 章 救急管理
監修 中村篤史 - 第 2 章 中毒
監修 中村篤史 - 第 3 章 心血管系疾患
監修 小山秀一 - 第 4 章 呼吸器・胸腔疾患
監修 小山秀一 - 第 5 章 口腔疾患
監修 大草 潔 - 第 6 章 消化器疾患
監修 小山秀一 - 第 7 章 肝胆道系・膵外分泌疾患
監修 辻本 元 - 第 8 章 腎・泌尿器疾患
監修 小山秀一 - 第 9 章 内分泌・代謝性疾患
監修 大草 潔 - 第 10 章 生殖器・乳腺疾患
監修 小山秀一 - 第 11 章 神経・筋疾患
監修 中村篤史 - 第 12 章 眼科疾患
監修 大草 潔 - 第 13 章 骨・関節疾患
監修 小山秀一 - 第 14 章 血液疾患
監修 辻本 元 - 第 15 章 皮膚・耳疾患
監修 大草 潔 - 第 16 章 腫瘍
監修 大草 潔 - 第 17 章 感染症
監修 辻本 元 - 第 18 章 問題行動
監修 入交眞巳 - 第 19 章 その他
監修 大草 潔
猫の治療ガイド2020
私はこうしている
A4判 上製 ビニールカバー付き 1008頁
- CONTENTS
- 第 1 章 救急管理
監修 中村篤史 - 第 2 章 中毒
監修 中村篤史 - 第 3 章 心血管系疾患
監修 小山秀一 - 第 4 章 呼吸器・胸腔疾患
監修 小山秀一 - 第 5 章 口腔疾患
監修 大草 潔 - 第 6 章 消化器疾患
監修 小山秀一 - 第 7 章 肝胆道系・膵外分泌疾患
監修 辻本 元 - 第 8 章 腎・泌尿器疾患
監修 小山秀一 - 第 9 章 内分泌・代謝性疾患
監修 大草 潔 - 第 10 章 生殖器・乳腺疾患
監修 小山秀一 - 第 11 章 神経・筋疾患
監修 中村篤史 - 第 12 章 眼科疾患
監修 大草 潔 - 第 13 章 骨・関節疾患
監修 小山秀一 - 第 14 章 血液疾患
監修 辻本 元 - 第 15 章 皮膚・耳疾患
監修 大草 潔 - 第 16 章 腫瘍
監修 大草 潔 - 第 17 章 感染症
監修 辻本 元 - 第 18 章 問題行動
監修 入交眞巳 - 第 19 章 その他
監修 大草 潔
- 編集者 辻本 元より治療ガイドの魅力について
- “Cats are not small dogs.”といったフレーズは猫の獣医療を議論する際によく引用されます。今回、2020年版は「犬の治療ガイド」と「猫の治療ガイド」の2分冊として刊行されます。
私が監修に関わった血液疾患においては、犬と猫で大きな違いのある代表的な病気としてリンパ腫が挙げられます。2000年代になって改定されたWHO組織学的分類が犬と猫のリンパ腫に応用されることによってサブタイプが明確化され、好発するサブタイプが犬と猫で異なることから、犬と猫を分けて記載しないと治療や予後に関してアップデートできなくなりました。多くの疾患で同じような状況が認められています。それに加えて、使用する薬物、投薬量、効果および副作用に関する犬と猫の違いについても知見が集積されてきました。
こういった背景から分冊化された本書2020年版を最新の診療方針のガイドとしてご活用いただき、臨床現場において多くの先生方にご利用いただくことを望んでいます。
- 編集者 小山秀一より治療ガイドの魅力について
- 日常の診療において、治療が予想通り進んでいく症例もあれば、思うように進まない症例もあるのではないでしょうか。そんな時、他の先生はどんな治療をしているだろうかと悩まれている先生の一助となればと思い「犬と猫の治療ガイド」を刊行しました。そして、2020年度版はさらにパワーアップし、それぞれの疾患を犬と猫に分け、より使いやすいようにしました。
循環器領域の疾患では、同じ診断名であっても犬と猫での病態の違いから、選択する薬剤、使用する薬剤の順番が異なるものがあります。また、薬剤によっては、犬と猫での感受性の違いにより投与量が異なるケースが多々あり、治療効果が出ないだけでなく生命に影響を及ぼすことに繋がることもあります。
今回、犬と猫を分冊したことで、この様なケースを避けることが出来るとともに、各疾患の犬と猫での異なる点も明記されているため、これまで以上に使い勝手が良くなっていると思われます。今回の治療ガイドが、これまで以上に先生方のお役に立つことを願います。
- 編集者 中村篤史より治療ガイドの魅力について
- 「犬と猫の治療ガイド」は、当院で活躍している書籍の一つです。その理由に、数多くの疾患の治療法が網羅されていることから、いわゆる「治療の辞書」として活用しております。実際の臨床現場を想定されており、治療のみならず、疾患の説明や診断、予後などについても触れられており飼い主様に対するインフォームドコンセントにも利用しております。
さて、2012,2015年と続き待望の2020年版では、尊敬する大先輩の先生方に加えていただき若輩ながら私も監修者として参加させていただきました。そこで、2020年版の私目線の魅力をお伝えします。
まず大きく変わったことは犬と猫に分冊したところ。「猫は小さな犬ではない」という格言があり、生理学的、解剖学的な違いはもとより、頻繁に遭遇する疾患の種類も異なります。それに伴い、同じ疾患であれ、治療法の異なるものもあるかと思います。猫の飼育頭数は年々増加しており、当院でも猫の診療比率が増えていることから差別化には大きな意味があると思います。
次に、エビデンスの更新に伴い内容がアップデートしているだけでなく、なるべく前シリーズとは異なる先生方にご執筆いただいております。そのため、前2版との内容も異なりそれぞれの先生方の視点も楽しんでいただけるのではないかと思います。僕の専門である救急のセクションでも疾患項目が細分化されており、中身のある現場に即したものが出来上がったのではないかと思います。実臨床において「治療の辞書」としての活用はもちろんのこと、院内教育にも使える名著のなっているのかと思います。
犬版、猫版、ともにボロボロになるまでご活用いただけることを願っております。
著者より本作への思い、臨床現場の方へ
著者の言葉 伊丹貴晴
猫の鎮静処置は外科手術や画像診断などに日常的に行われています。攻撃的な猫に対しては、吸入麻酔薬を用いてボックス導入するか、バスタオルなどに包んで筋肉内投与が行われていると推察します。
しかしながら、一般状態を評価することができない状態での鎮静処置を敬遠している獣医師も多いはずです。2016年頃から、猫の来院前の鎮静処置として呼吸循環抑制の少ない薬剤が推奨されるようになりました。より良い動物福祉を意識したキャットフレンドリーなハンドリングを目指し、ぜひ本書籍を手に取り、猫の鎮静処置についてブラッシュアップしていただきたいと思います。伊丹貴晴 DVM. PhD.
酪農学園大学 獣医学群 獣医学類 嘱託助手 附属動物医療センター 麻酔・集中治療科
著者の言葉 服部幸
本書では「猫の細菌性膀胱炎と特発性膀胱炎」を担当させていただきました。膀胱炎は猫の最も多い病気の1つと言えます。膀胱炎=抗生物質ではなく、しっかり原因を調べて治療することが大切です。その為にはどのような検査が必要か、そしてどのような治療が必要かを理解する必要があります。ぜひお読みください!
服部幸
東京猫医療センター
著者の言葉 塗木貴臣
当院に置かれている治療ガイド2015はボロボロです。私自身や当院スタッフの利用方法を見てみると、診断名から治療方法を調べて参考にするのはもちろんのこと、鑑別診断を進める上で検査すべき項目の見落としがないかを確認したりしています。このように本書籍の最大の特徴は「臨床現場とともにある教科書のような参考書」であると私は考えています。
そんな治療ガイドが5年ぶりに犬版、猫版で発刊されます。私も微力ながらいくつかの項目で執筆させていただきました。その中の1つ、猫の誤嚥性肺炎を経験も交えて解説しています。そもそも猫という動物は誤嚥すること自体が犬と比べて少ないですが、いざ誤嚥が疑われた猫と対峙した際に、本書籍が先生方の診療の一助になれば幸いです。塗木貴臣
TRVA夜間救急動物医療センター
著者の言葉 上田悠
日本の獣医療現場で長らく多くの先生に読まれてきた「治療ガイド」の最新版である「治療ガイド2020」において執筆をさせて頂く機会を頂き大変光栄です。
今回は犬と猫における「血液量減少性ショック」「血胸」「気胸」「乳糜胸」の項を担当させて頂きました。
これらの疾患は、呼吸困難や循環不全を引き起こすような救急医療現場ではよくみられる疾患です。 本項を執筆するにあたっては、この本を読まれている先生方がこれらの救急症例を診るにあたって、その場ですぐに使える実践的な内容になるように考えながら執筆させて頂きました。本項が先生方の診療に少しでもお役に立てることができれば幸いです。上田 悠
ノースカロライナ州立大学獣医学部 小動物救急集中治療科 助教授
著者の言葉 中川泰輔
細菌性腹膜炎では適切な抗菌薬を迅速に投与することが重要です。本稿はあくまでも抗菌薬選択のための最低限必要な知識と考えて頂き、普段の診療においても感染源およびグラム染色から原因菌を推定する意識をもつことの重要性を理解して頂ければと思います。
また、細菌性腹膜炎の治療には、適切な抗菌薬投与だけでなく、循環や呼吸管理、栄養管理など集約的な治療が必要であることも忘れてはいけません。本稿が日々の診療の一助となれば幸いです。中川 泰輔
東京大学附属動物医療センター内科
著者の言葉 近藤悦子
「先生、うちの子、お留守番が苦手なんです・・・」飼い主様からのこのような稟告は、臨床の現場において、よく耳にするのではないでしょうか。「留守番が苦手=分離不安」と思うかもしれませんが、果たして分離不安とは、どのように鑑別/診断するのでしょうか?また、どのような治療に取り組むことができるのでしょうか??
「行動学の分野のことはよく分からない」となる前に、ぜひ本書をご一読いただき、犬や猫の分離不安に悩む飼い主様へ向けて、有用なアドバイスができるようになっていただければと思います。近藤 悦子
神戸いぬ・ねこ問題行動診療
- ●前版から5年間の間に進歩した、最新の獣医内科療法の知見を追加しました。
- ●犬、猫合わせて223名の各疾患のスペシャリストが実践している獣医内科療法を詳しく解説します。
- ●犬と猫に分けることで、それぞれの疾患における対応方法が、より詳細にわかりやすくなり、実際の治療にすぐに役立てることができます。
- ●新たに疼痛管理や輸液、輸血療法などについて解説している章を追加しました。
押さえておきたい、治療上の注意点や、飼い主への説明、看護のポイントなどを箇条書きにまとめ、インフォームドコンセントやチーム医療にも活かせます。
薬剤の最新情報を知ることもできます。
犬と猫を合わせて106名の
新進気鋭の執筆者が新しく登場!
スペシャリストの最新の治療法がわかります!
第4章 呼吸器・胸腔疾患
気管支軟化症(気管支虚脱)
佐藤 雅彦 先生( 東京大学 附属動物医療センター)第8章 腎・泌尿器疾患
特発性膀胱炎
服部 幸 先生( 東京猫医療センター)
犬と猫では治療法が違う!
それぞれの治療法を厳密に分け、
わかりやすく解説することで、治療法の混乱を解決します!
第1章 救急管理(犬・猫)
アナフィラキシー
中村 篤史 先生( TRVA 夜間救急動物医療センター)
2020年9月末でキャンペーンは終了いたしました
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キャンペーン期間
2020年9月末日まで
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- ■対象者:
「治療ガイドシリーズ」2012、2015、2020(犬、猫セット)の4冊セットでご購入いただいた方 - ■キャンペーン対象雑誌:
VETERINARY BOARD/CLINIC NOTE/as/SA Medicine/SURGEON/VETERINARY ONCOLOGY/trim
※雑誌の無料定期購読の期間は、2020年10月以降発刊の最新号から1年間となります。
※無料定期購読は1雑誌のみとなります。
※「治療ガイド2020 購入者特典キャンペーン」以外のキャンペーンとの併用はできません。
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(詳細は無料視聴クーポン内の記載をご確認ください)。
無料で視聴できるダイジェスト版はこちら! ※ダイジェスト版は2~5分程度となります。
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講師:塗木貴臣 先生
(TRVA夜間救急動物医療センター) -
講師:森 昭博 先生
(日本獣医生命科学大学)
コンテンツタイトル | 講師 | ダイジェスト版(無料) |
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犬の心原性肺水腫 書籍参照:「犬の治療ガイド2020」第1章 |
塗木 先生 | 8/13公開 |
猫の心原性肺水腫 書籍参照:「猫の治療ガイド2020」第1章 |
塗木 先生 | 8/25公開 |
非心原性肺水腫 書籍参照:「犬の治療ガイド2020」、「猫の治療ガイド2020」第1章 |
塗木 先生 | 8/25公開 |
猫の糖尿病治療におけるインスリンの選択 書籍参照:「猫の治療ガイド2020」第9章 |
森 先生 | 8/24公開 |
「治療に入る前に」→「治療方針」→
「予後」という簡潔で読みやすい構成
にしました。