2月号監修 桃井康行先生からのメッセージ
日々の診療において抗菌薬を使うことは多い。本特集では抗菌薬の「抗菌」以外の作用，副作用を深堀りした。
発生確率が低い副作用も，長い獣医師人生の中で何度かは経験するものである。自分が処方した薬剤で有害事象が発生してしまったとき、「知らなかった」では済まされない。副作用が発生しているにもかかわらず、薬剤が原因と気づかずに漠然と投与を続けることがあってはならない。本特集では使用頻度の高い抗菌薬を多く対象にしている。使用する薬剤の副作用については、是非覚えておきたいものである。また、日々の使用で知っておかなければならない、薬剤の分割・粉砕などにおける注意点についても情報をまとめていただいている。小さい動物を治療する獣医師にとって有用で知っておくべき知識なので、この機会に是非確認してもらいたい。
2023年2月号 特集「よく使用するからこそ知っておきたい！ Extreme 抗菌薬」
監修 桃井康行、湯木正史、福島隆治、中村篤史
1. 抗菌薬の有害事象
①ペニシリン系・セフェム系（アレルギー反応） 福島隆治
②ニューキノロン系１（猫の失明・若齢期の関節障害
・注射部位の肉芽形成） 平寛人、湯木正史
③ニューキノロン系２（発作 ） 谷章禎、塗木貴臣
④テトラサイクリン系１（食道狭窄） 金本英之
⑤テトラサイクリン系２（色素沈着） 松本浩毅
⑥クロラムフェニコール（骨髄抑制） 福岡玲
⑦メトロニダゾール（中枢神経障害） 小林良、塗木貴臣
⑧アミノグリコシド系（腎毒性・聴覚毒性） 岩永朋子
⑨ホスホマイシン（猫の腎毒性） 大森啓太郎
2. 抗菌作用以外の有益な作用
①エリスロマイシン（呼吸器改善・抗炎症・消化管運動亢進） 三河翔馬
②メトロニダゾール（免疫調整） 成田桃子、湯木正史
③テトラサイクリン系（免疫調整・コラーゲン分解抑制） 横田峻也、湯木正史
3. 意外と知られていない薬の取り扱い
①錠剤粉砕・カプセル剤開封の影響
② 注射剤の配合変化
折戸謙介
今後の特集予定
2023年6月号
一次診療で上手に使いたい行動治療薬を考える
監修 入交眞巳
①分離不安の治療薬
②認知症の治療薬
③Fear Freeについて
④薬剤の使い方tips
⑤行動治療の専門家が行っていること
2023年2月号からスタートの新連載
-
新連載1 一次診療のためのスコープガイド
- ■テーマ
第1回 鼻咽頭
第2回 上部消化管（食道・胃）
第3回 上部消化管（十二指腸・空腸）
第4回 下部消化管
第5回 気管・気管支
第6回 耳道 -
単なるスコープ手技ガイドではなく、一次診療施設での落とし穴・疑問点などを「ポイント」として散りばめています。また、メジャーな消化管以外にも、鼻咽頭や気管・気管支といった部位についても解説していきます。
- ■テーマ
-
新連載2 未病と病気 経過観察と治療介入
- ■テーマ
第1回 高脂血症
第2回 猫の高血圧
第3回 肥満（以降未定） -
病気は早期発見・早期治療が重要ですが、本連載で取り上げる疾患の場合、治療介入のタイミングは見極めが難しいと考えられます。そのような疾患に対する疑問を解説する、一次診療の痒いところに手が届く内容です。
- ■テーマ
-
新連載3 老齢動物の生理学と変化
- ■テーマ
第1回 視覚・嗅覚
第2回 味覚・聴覚・触覚
第3回 運動失調・振戦（以降未定） -
老化による変化は飼い主から相談されることも多いと思われます。生理学的な変化を知っておくことで、正確な知識に基づいた説明ができ、臨床的な変化を知っておくことで、飼い主に気をつけるべきポイントを教えることができます。
- ■テーマ
-
新連載だけじゃない！注目の連載
■ 化学療法薬の有害事象
執筆 大参亜紀
化学療法薬を使いこなすための方法をわかりやすく解説する連載です。一次診療の内科医の先生方にとって必要な化学療法の情報が詰まっています。
■ 臨床を支える日本の研究
臨床獣医師の「研究者」としての興味をくすぐり，論文を執筆した先生が実際にどういった意図で研究を行っていたのかを知ることで論文を身近に感じてもらうことができる連載です。
お得な定期購読のご案内
- 定期購読1年（計6冊）
22,524円
（税込・送料込） - 1冊ずつ購入した場合 ※価格は税込み表記です
1冊の定価 4,505円 + 発送手数料715円
× 6冊 ＝ 31,320円
購入するよりも
8,796円お得！
発送手数料無料！
