非常にデリケートな生き物である鳥にとって、最も負担の少ない診察は「観察」です。「観察」でいかに病態に肉薄できるか、鳥の治療を成功させる秘訣を解説!
チェックするポイントと症状の出ている部位の写真で、見てすぐ確認できます。
鳥のスペシャリストである小嶋先生の経験を元に、さまざまな鳥独特のサインも紹介します。
安易な保定は鳥の命に危険を及ぼす可能性があります。
鳥の負担を最小限に抑え、適切に診察をすることのできる保定のポイントを徹底解説!
豊富な写真で保定術のいろはが理解できます。
鳥におけるさまざまな投薬方法を紹介!
“いかに負担をかけずに投薬するか”それぞれの投薬行為のリスクや、実践上のコツなどについて解説します。
鳥の診療を行うためには、どのように勉強すれば良いのか、知識や情報の身につけ方をわかりやすく解説!
学んだ知識の臨床への活かし方がわかります。
小嶋先生お勧めの鳥類臨床に関する書籍や雑誌も紹介しています。
鳥類臨床の技術向上に役立つ情報が満載です!
さらに極める。もっとわかる。必読必須の付録つき!
各疾病の、病名、症状、治療方法を簡潔にまとめました。 「この症状なんだろう・・・。」 「様子がおかしいけど病気か判断できない!」 そんな不安や疑問を払拭します!!
ビギナーからエキスパートまで納得!小鳥を診るならこの一冊!
本書はコンパニオンバード(飼い鳥)の疾病について、臨床と病理の両面から解説!小型鳥類の疾病についてこれだけ詳しく論じている書籍は他にありません。初心者から最上級者まで、幅広く支持いただける内容が満載です!
― 著者の小嶋篤史先生より
鳥の医療現場は,動物医療のなかでは最も苛烈な部類に入るだろう。
なにせ一日に返す遺体の数が極端に多い。流された涙の量が他院の比でない。
たかが鳥と言われることもある。しかし,セキセイインコですら 20 年近い寿命をもち,TPO に応じてしゃべる彼らは家族として大きな存在感を放つ。飼育者にとっては 20 年来の家族であり,我々はその命を背負わなければならない。
しかも,その戦いの勝率は圧倒的に低い。守るべき鳥は,繊細でとてつもなく弱い。触っただけで死ぬ,見ただけで死ぬとも言われる。生半可な知識と技術はかえって鳥を殺してしまうだろう。いや,熟達した筆者と言えども死なせてしまうことがある。それが鳥である。それでも誰かが彼らを助けなければならない。この戦いに挑まなければならない。
本書はとにかく勝率を上げるための指南書だ。鳥を生き残らせる確率を上げることを第一義に考えている。
臨床の本というと,血液検査や画像診断,外科などの派手な分野に人気が集中するが,本書はひたすら地味だ。観察や保定,看護などの基礎をしつこく深く掘り下げている。
なぜなら,鳥が死ぬのはだいたいこの部分だからだ。ここでミスが出ようものなら高度医療にたどり着くことすらできない。そもそも鳥の疾患は適切な見立てと経験的治療でほとんどが治ってしまう。高度医療の出番はそこまで多くない。
本書は,鳥の観察に始まり,保定,一般検査,看護,投薬,消毒,教育と,実際の臨床現場の流れに沿って,そのエッセンスを余すことなく記載した。付録では,本邦に多い疾病の概要と治療について紙幅を大幅に割いている。
この一冊を読み込み,その真意を理解し,十全に実践すれば,8割以上の診療鳥が助けられるよう設計した。
鳥類医療はほかの獣医療に比べて圧倒的に技術職寄りであり,どんなにすばらしい知識と経験をもっていたとしても,それを実践できる技術がなければ鳥を助けることはできない。地道なプラクティスにこそ,鳥を助ける道があると信じ,ぜひ鍛錬してほしい。
それではミッションスタート!!!
令和元年 初夏 小嶋篤史