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VETERINARY BOARD

創刊4周年によせて

編集長:三浦嘉晃

小誌創刊から早4年。無事刊行を続けられているのは、ご購読いただいております先生方、ご執筆いただいております先生方のおかげと、弊社一同、改めまして御礼申し上げます。
エキスパートの先生が進める診療手順には、適切な道筋を選ぶための根拠が存在します。検査の解釈、鑑別疾患、薬剤の選択基準といった “診療力を高めるポイント”をどのような形で表現すれば理解しやすい誌面になるのかと、弊社一同、奮闘している毎日です。
「臨床の選択肢を広げるケーススタディ・マガジン」という小誌コンセプトをさらに進めるべく、今後は誌面だけでなく、少人数制セミナーをはじめとしたさまざまな企画を開始する予定です。誌面、セミナーといった小誌のコンテンツを、読者の先生方の日常診療にお役立てていただきましたら幸いに存じます。

臨床で役立つ!私のこの1冊

中村健介先生
(北海道大学)

創刊号(2019年5月号)胆囊疾患に対する選択肢を広げる

私にとって初めて監修という立場でのオファー、かつ創刊号を担当ということで、内容をあまり確認せず、二つ返事でお引き受けしてしまった記憶があります。ただ、後日聞いた特集の内容が「胆囊」であり、当時でも私の専門のど真ん中からはやや外れた領域で、その時点で軽々しく引き受けたことをやや後悔しました。ですが、当時宮崎大学でともに働いていた鳥巣チームと一緒に雑誌を作り上げるという点においてこれ以上ない特集であると思い直し、やや背伸びをしてお受けしたことを覚えています。
あれから4年が経ち、今度は私の後輩というか教え子というか、そのような存在の田村昌大先生と一緒に、再び胆囊疾患を担当することになりました。これがあの当時から繋がっている縁だと思うと、感慨深いものがあります。
今後も質を保ちながら、末永く続く雑誌であることを祈念しております。

藤原亜紀先生
(日本獣医生命科学大学)

No.39(2022年7月号) 悩ましい猫の肺炎 vs. 肺水腫 vs. 肺腫瘍

2019年7月号の「呼吸がおかしい!」を皮切りに、年に1回の呼吸器疾患の特集として「肺が白い!」「咽喉頭疾患を安全に診断・治療する」「悩ましい猫の肺炎 vs. 肺水腫 vs. 肺腫瘍」を監修させていただきました。すべての号で、呼吸器疾患を学ぶ小動物呼吸器疾患研究グループ(SARS)のメンバーと取り組みました。呼吸器疾患の診療は、内科・外科・循環器・救急・病理など、複数の分野が総合的に関連することが多く、SARSメンバーそれぞれの得意分野を生かした特集号が毎年完成していると自負しております。
VETERINARY BOARDは4周年! これからも最新の知見を盛り込んだアツイ呼吸器疾患について特集していきます。

川瀬広大先生
(札幌夜間動物病院)

No.22(2021年2月号) これだけは押さえておきたい!救急超音波検査

印象深かった救急の特集テーマは、今となっては広く知られ、多くの先生に活用いただいている「救急超音波検査」です。この特集で初めて救急超音波検査を知った、あるいは聞いたことはあるが実践的な詳細を学んだのは初めてという先生も多かったのではないでしょうか。本特集は、救命救急の最前線で戦っている日本の夜間救急動物病院の先生だけでなく、アメリカの救急現場で診療している先生も執筆陣に加えた、スペシャルな1冊になっています。現在、動物の救命救急や集中治療分野は夜明けの段階であり、これからもさらに発展していきます。
今後のVETERINARY BOARDの救急特集も、どうぞご期待ください。

各科目ごとに専門のコーディネーターが監修

■ 救急·集中治療
上田 悠先生(ノースカロライナ州立大学)
川瀬広大先生(札幌夜間動物病院)
■ 循環器疾患
青木卓磨先生(麻布大学)
髙野裕史先生(どうぶつの総合病院)
中村健介先生(北海道大学)
■ 呼吸器疾患
藤原亜紀先生(日本獣医生命科学大学)
(SARSのコアメンバーの先生方)
■ 肝胆道系·膵外分泌疾患
金本英之先生(ER八王子 動物高度医療救命救急センター)
坂井 学先生(日本大学)
■ 内分泌·代謝性疾患
大森啓太郎先生(東京農工大学)
■ 問題行動
武内ゆかり先生(東京大学)
藤井仁美先生(Ve.C 動物病院グループ)
■ エキゾチックアニマル
田向健一先生(田園調布動物病院)
■ 皮膚·耳疾患
関口麻衣子先生(アイデックスラボラトリーズ)
村山信雄先生(犬と猫の皮膚科)
■ 眼科疾患
辻田裕規先生(どうぶつ眼科専門クリニック)
■ 麻酔
伊丹貴晴先生(酪農学園大学)
手島健次先生(日本大学)
■ 脳神経疾患
伊藤大介先生(日本大学)
長谷川大輔先生(日本獣医生命科学大学)
■ 腎·泌尿器疾患
岩井聡美先生(北里大学)
宮川優一先生(日本獣医生命科学大学)
■ 整形外科疾患
枝村一弥先生(日本大学)
藤田幸弘先生(麻布大学)
■ 腫瘍性疾患
富安博隆先生(東京大学)
■ 血液疾患
高橋 雅先生(鹿児島大学)
森下啓太郎先生(北海道大学)

今後の特集予定

  • No.49

    2023年5月号特集 胆囊疾患に対する診断/治療の再考

    監修:中村健介先生(北海道大学)
    胆囊疾患で迷うことが多い正常・異常・病気の線引き、そして基礎疾患との関係性を切り口にまとめ直しました。

  • No.50

    2023年6月号特集 咳嗽(CLINIC NOTEコラボ)

    監修:藤原亜紀先生(日本獣医生命科学大学)
    咳を主訴に来院する症例の鑑別、診療手順を解説します。

  • No.51

    2023年7月号特集 僧帽弁閉鎖不全症“以外の”心疾患

    監修:青木卓磨先生(麻布大学)
    No.5で特集を組んだ僧帽弁閉鎖不全症に引き続き、犬の先天性心疾患などをテーマに取り上げます。

好評連載

症例の主訴、外貌、検査結果などから、確定診断のための追加検査や治療プランなどを、読者の先生に考えていただくQ&A方式の連載です。専門家の思考過程を解説いただき、診療現場を疑似体験しながら診断力を強化します。

最新・必読の論文の中から、読者が使える情報を専門家が解説します。

知りたいテーマに沿ったおすすめのバックナンバーを編集担当がピックアップ!

猫の心筋症を極めたい!

No.10(2020年2月号)
猫の肥大型心筋症

No.27(2021年7月号)
猫の肥大型心筋症アップデート
―HCMとHCMフェノタイプ―

VETERINARY BOARD 2022
DECEMBER No.44
猫の肥大型心筋症「以外」の心筋症
~ステージングに基づいた診断と治療~

世界の内科診療のスタンダードを学びたい! (ACVIMコンセンサス・ステートメントに関する特集)

No.18(2020年10月号)
犬の慢性肝炎
-ACVIM コンセンサス・ステートメントに基づく診断と治療-

No.27(2021年7月号)
猫の肥大型心筋症アップデート
―HCMとHCMフェノタイプ―

No.20(2020年12月号)
犬と猫の免疫介在性 溶血性貧血
― ACVIMコンセンサス・ステートメント に基づく診断と治療 ―

犬と猫の問題行動の診療について知りたい!

No.14(2020年6月号)
臨床でよくみる犬の問題行動

No.34(2022年2号)
猫の問題行動
~なぜその行動が起こるのか?どうしたら改善できるのか?~

暑くなる前に耳・皮膚疾患をおさらいしたい!

No.25(2021年5月号)
犬アトピー性皮膚炎
―症例にあわせた治療方法の組み合わせ、投与量の管理―

No.28(2021年8号)
耳炎
~良好なコントロールのためのポイントと難治症例への対応~

No.7(2019年11月号)
薬剤が効かない皮膚疾患への対応法
-アレルギー疾患と膿皮症 /マラセチア皮膚炎の併発-

血液疾患や輸血について知りたい!

No.9(2020年1月号)
輸血のABCと副反応

No.20(2020年12月号)
犬と猫の免疫介在性 溶血性貧血
― ACVIMコンセンサス・ステートメント に基づく診断と治療 ―

犬と猫の呼吸器診療について知りたい!

No.29(2021年9月号)
咽喉頭疾患を安全に診断・治療する

No.39(2022年7月号)
悩ましい猫の肺炎 vs.肺水腫 vs.肺腫瘍

いざというときために救急対応について知っておきたい!

No.22(2021年2月号)
これだけは押さえておきたい!
救急超音波検査

No.33(2022年1月号)
中毒治療の最前線
-エキスパートだけが知っている診療アップデート

No.8(2019年12月号)
外傷性疾患に対する診断・治療方針

No.30(2021年10月号)
泌尿器のエマージェンシー

No.40(2022年8月号)
内分泌・代謝性疾患のエマージェンシー

小型犬に多い膝蓋骨脱臼や橈骨尺骨骨折について知りたい

No.21(2021年1月号)
膝蓋骨脱臼
~再脱臼を起こさせないための治療選択と治療のポイント~

No.46(2023年2月号)
トイ犬種の橈骨尺骨骨折
~癒合不全を起こさせないための治療 選択と治療のポイント~